このプロジェクトは、世界の大学へ出向き、大学生たちが描く夢を直接、聞き取り調査をするというものだ。今年(2012年)も、昨年と同様に数多くのスポンサー企業や学生団体の支援、協力を得ることができた。経済界の著名人たちの応援メッセージもいただき、2011年8月30日、半年間の世界一周大学巡りの旅に出発した。
日本からアジア、中東、ヨーロッパ、アメリカ東海岸、中南米、アメリカ西海岸の順に、23カ国50の大学を訪ねた(ルート図を参照)。各国の大学訪問では主に、日本語や経済・経営を学ぶ学生、教授に会い、インタビューを行った。
このほかにも、大学のキャンパス見学や講義の聴講もさせてもらった。日本語学科ではなんと、にわか日本人講師として飛び入りで授業をする機会にも恵まれた。事前に大学側に面会の予約を入れることもあったが、キャンパスに飛び込んで見ず知らずの学生に声をかけたりもした。そこでは最初の問いの答えとなるヒントを得た。
トライリンガルも
海外に出て最初にぶつかったのは言語の壁だ。基本的には、大学巡りのみならず私生活も英語で会話をするわけだが、英語圏ではない場所は通じないこともある。それでも多くの学生が親切にインタビューに受け答えしてくれた。
言語については、さまざまな意見をもらった。ベトナムでは「せっかく異国にいくのに、なぜその国の言葉をしゃべれないで平気なの? 僕だったらかなり勉強してからいく」。イタリアでは「日本人は謙遜し過ぎだ。英語をちゃんとしゃべれるのに話せないと言う」。言語の習得に関しては、お国柄によって認識の違いを感じた。