世界の主要自動車メーカーが参加する「ニューヨーク国際自動車ショー」が4日、ニューヨーク・マンハッタンで開幕し、米ベンチャー企業「テラフジア」が開発した“空飛ぶ自動車”「トランジション(Transition)」が話題をさらった。主翼を折りたたむと最高時速104キロの自動車に早変わりし、米国では公道も走行できるという。(サンケイスポーツ)
“空飛ぶ自動車”がいよいよ現実になる。
ニューヨーク国際自動車ショーに出展された陸空両用航空機「トランジション」の主翼の長さは計8メートル、機体の長さは6メートルで高さは2メートル。主翼が伸びた状態の外観は小型飛行機だが、主翼をたたむと幅2・3メートルの自動車に“変身”。通常の車庫に格納可能だ。
一般販売に先駆けた特別販売の価格は1台27万9000ドル。日本円にして約2300万円と高額だが、すでに約100台の予約が入っている。
開発企業「テラフジア」のホームページなどによると、乗車定員は2人で、自動車としての最高速度は104キロ。燃費は12・7キロで性能は十分実用的だ。飛行速度は185キロで最長787キロの航行が可能。羽田-函館間の距離約680キロを楽々越えるが、日本での実用化に大きな障害となりそうなのが離陸時のスペース。約762メートルの滑走路が必要になるという。
“空飛ぶ自動車”は日本で販売できるのか。国土交通省は「自動車に適用される最大規格は全長12メートル以下、幅2・5メートル以下、高さ3・8メートル以下。寸法としての保安基準は枠内といえるが、各パーツの保安基準や、離陸するのであれば航空の法律も適用されるので、現時点では何とも言い難い」と話す。