スマートフォン(高機能携帯電話)に標準搭載されているGPS(衛星利用測位システム)機能を使い、タクシーを簡単に呼べるサービスの導入が業界で相次いでいる。専用アプリ(ソフト)をスマホに取り込んでおけば簡単な操作で配車を依頼できる手軽さが受け、利用客は急増。タクシー会社にとっても、運行の効率化や経費削減につながるとあって、サービスはさらに拡大が見込まれる。
先行する日本交通グループ(東京都北区、約3200台)は、昨年1月にスマホ向けサービスを始めた。利用客がアプリを起動すると、自分の居場所の地図がスマホ画面に表示され、タクシーを呼びたい地点を押してから配車依頼ボタンを押せば手続きは完了する。「今いる場所がわからなくても車を呼べる」として、利用客の評判は上々だ。
「出張先でも使いたい」との声が多かったため、同社は全国のタクシー会社に呼びかけ、これまでに23都道府県30グループと提携、配車網は約1万1300台規模に広がった。スマホ経由の売り上げは、3月末までに3億円を突破した。
この状況に対し「追い上げを図りたい」と意気込むのは、都内のタクシー会社62社、約4600台が加盟する東京無線協同組合の担当者。同組合も今月1日からスマホ向けの配車サービスを開始、アプリのダウンロード数はすでに約3万件に達した。 まず東京23区と武蔵野市、三鷹市で運用し、サービス範囲を順次広げていく計画で、担当者は「コールセンターの人員が少なくても、多くの配車依頼をさばける。利便性向上に加え、コスト削減にもつながるはずだ」と期待する。