災害時の有用性が見直され、昨年度大幅に売り上げを伸ばしたラジオ。一方で日常生活からはどんどん姿を消し、ラジオ局各社はラジオ離れに頭を悩ませている。そんな中、最新のネット技術で音声をデジタル化しネット回線で配信する「インターネットラジオ」が再びリスナーの数を増やしている。その未来を、明治大学小池保夫ゼミの有志学生記者が予測した。
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物は試し。さっそくネットでラジオを聞いてみた。まず驚いたのは、音声のクリアさだ。電波を使わないため、雑音が混じらないのである。これまで電波環境が悪く、自宅で聞けなかった番組も聞けた。
多様なニーズに対応
次に気付いたのは番組の多様さである。インターネットを通じ世界中のネットラジオ番組が聞けるので、たとえば音楽番組ならばクラシック、オペラ、ラブソングなど多様な専門番組が気軽に楽しめる。
無数にある番組の中でも特に異彩を放っていたのが、人気声優らがパーソナリティーを務める「キャララジオ」である。さすがは声のプロだけあり、聞き手を引き込む声が魅力的だ。
もちろん地上波のおなじみのFM/AM番組を聞くこともできる。ネットラジオ局の代表格「radiko(ラジコ)」では地域差はあるが、関東では約10のラジオ局の番組をリアルタイムで配信している。各ラジオ局は独自に、自分の好きな番組を好きなときに聞けるオンデマンドで配信をしている。