スズキは16日、中国の重慶市にある自動車生産の合弁会社「重慶長安鈴木汽車」で第2工場に着工した。2013年をめどに年産15万台で稼働させ、15年末には25万台に拡大。既存工場の25万台と合わせ、年産能力を50万台に倍増させる。
第2工場は既存工場に隣接し、「スイフト」「カルタス」などの小型車をエンジンから完成車まで一貫生産する。投資額は50億元(約640億円)。
外資誘致に積極的だった重慶市の前市共産党委員会書記、薄煕来氏が失脚し、日系企業にも波紋が広がる中、公の場に姿を最近見せなかった黄奇帆市長が起工式に出席。これまで通り、企業の投資を受け入れる姿勢を示した。式典でスズキの鈴木俊宏副社長は「中国での競争は世界一厳しく、魅力ある車の投入を加速する」と強調した。
日系各社は、日産自動車が大連市に中国4番目の拠点となる新工場の建設を検討しているほか、ホンダも工場増設を近く決めるとみられる。