ソニー、中国大手と提携へ テレビ事業の構造改革加速

2012.4.19 05:00

新たな経営方針を説明するソニーの平井一夫社長=12日午後、東京都港区のソニー本社(古厩正樹撮影)

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 ソニーがテレビ事業立て直しに向けて、中国家電大手のハイセンス(海信集団)と生産・販売面での提携交渉を進めていることが18日、分かった。実現すれば、生産コスト削減や中国での販売ルート拡大が見込める。ソニーは次世代テレビとされる有機EL(エレクトロルミネッセンス)テレビの量産に向けて台湾の友達光電(AUO)と共同で技術開発を始めたことも判明。8年連続で赤字が続くテレビ事業の構造改革を加速する。

 ソニーとハイセンスは、ハイセンス側がソニー製テレビの組み立てを受託したり、ハイセンスの中国国内での販路をソニーが活用することなどで協議を進めている。2月にはソニーの担当者が訪中するなど交渉を加速させており、早期に結論を得たい考えだ。

 ソニーは韓国サムスン電子との液晶パネル合弁生産を解消し複数のテレビ組立工場を売却するなど生産設備を圧縮する戦略を進めており、ハイセンスとの提携交渉はこの一環だ。

 AUOとの有機ELテレビの共同開発も巨額の投資負担を軽減することが狙いで、今月就任した平井一夫社長は「他社との協業も検討する」としていた。

 液晶テレビ・パネル事業をめぐっては、シャープが台湾鴻海(ホンハイ)精密工業と資本業務提携を決めるなど、日本の電機大手がアジア企業との関係を深めている。