【底流】ユニクロ戦略に死角は? 後継者問題「やはり世襲か」との観測も (1/3ページ)

2012.4.22 07:00

 カジュアル衣料ユニクロを展開するファーストリテイリングが、グローバル戦略を加速させている。東京・銀座に「広告塔」となる旗艦店を相次いでオープン。世界に情報を発信しブランドの認知度を高め、海外での集客につなげる作戦だ。平成27年8月期には海外売上高が国内を上回り、32年8月期には連結売上高を現在の1兆円弱から5兆円にまで拡大する目標を掲げる。デフレ不況が長期化するなか、業績も株価も上昇基調で、柳井正会長兼社長の鼻息は荒いが、自らの後継者問題を含め、課題も少なくない。

目標年商100億円

 ファストリが3月に立て続けに銀座にオープンした旗艦店。6丁目の「ユニクロ銀座店」は、12階建てで売り場面積5千平方メートルと、ユニクロでは世界最大級。5丁目の低価格ブランド「ジーユー銀座店」も1500平方メートルを持つ。

 両店とも中国人観光客らなど外国人らで大にぎわいが続く。近くの百貨店の紙袋を抱えた中高年女性も目立つ。

 「年商100億円を目指す。世界でナンバーワンの店になれる」。柳井会長が掲げるユニクロ銀座店の目標は超強気だ。

 4月12日に発表した24年2月中間決算では2桁の増収増益を達成。同年8月期の通期売上高予想を9415億円に上方修正した。

 「消費は回復というより昔の状態に戻った。われわれは十分に勝ち残れる」(柳井会長)と判断。3千~5千平方メートルの旗艦店を新宿や渋谷、名古屋、福岡などにもオープンするほか、海外でもアジア中心に年200~300店の出店攻勢に打って出る。

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