東電、広瀬新社長を内定　６月下旬の取締役会で正式決定

　東京電力は８日、臨時取締役会を開き、西沢俊夫社長（６１）の後任に広瀬直己常務（５９）を昇格させる人事を内定した。６月下旬に開く株主総会後の取締役会で正式決定する。すでに勝俣恒久会長（７２）の後任に原子力損害賠償支援機構の下河辺和彦運営委員長（６４）が内定しており、両首脳が連携して福島第１原発事故で失墜した信頼回復と被害者への賠償を急ぐ。

　下河辺氏は８日午後、枝野幸男経済産業相を訪ね、新体制が固まったことを報告、枝野経産相も了承した。新体制が固まったことを受け、枝野経産相は９日にも、１兆円の公的資金による資本注入などを盛り込んだ東電の「総合特別事業計画」を認定する。

【プロフィル】広瀬直己氏

　ひろせ・なおみ　一橋大卒。昭和５１年東電入社。執行役営業部長、常務取締役、平成２３年３月から福島原子力被災者支援対策本部副本部長。東京都出身。