「ヤクルト400」と低カロリーの「ヤクルト400LT」(右)【拡大】
株買い増しを求める筆頭株主の仏食品・飲料大手ダノンと交渉しているヤクルト本社の根岸孝成社長は11日の決算会見で、「当社の自主独立性と友好関係の維持を目指す」と述べ、ダノンの出資比率引き上げに対して慎重な姿勢で交渉する考えを示した。ダノンが交渉成立前に買い増した場合は「提携関係の維持が困難になる」(川端美博副社長)と、警戒している。
同社は交渉の内容を明らかにしなかったが、川端副社長は「ダノンの持ち株比率の増加は望んでいない」と断言した。根岸社長は「対等の立場でお互いの信頼関係を築きあげていくべきだ」と強調。「経営への介入は望んでいない」と、株買い増しに対して強い危機感を示した。
ダノンはヤクルト株を20・66%保有し、インドやベトナムで合弁会社を設立するなど資本・業務提携の関係にある。07年に出資比率を5年間は引き上げないとする契約を結んだが、その契約が今月15日で期限切れになるため、交渉している。ダノンは28%程度までの買い増しを求めているとみられるが、根岸社長らは具体的な比率などについては明言を避けた。
また、ヤクルトが11日発表した2012年3月期連結決算は、売上高が2.2%増の3125億円、営業利益が2.0%増の208億円、最終利益が0.9%増の132億円と増収増益だった。