三井住友銀行など大手銀行が、2013年3月期にも法人税の納付を再開する見通しであることが11日、分かった。業績が堅調なためで、りそなホールディングス(HD)は同日、18年ぶりとなる再開を発表。三井住友は15年ぶりとなり、みずほフィナンシャルグループ(FG)の傘下銀行も続く見通しだ。三菱東京UFJ銀行は11年3月期に10年ぶりの納付を行っている。
大手銀はバブル経済崩壊後の不良債権処理で多額の赤字(欠損金)を計上。欠損金を次年度以降に繰り越し、利益と相殺して法人税額を減らせるルールを活用して批判を受けていた。
ただ三井住友など各グループの12年3月期は最終利益が前期を上回り、欠損金が解消する見通し。納税再開により長年、法人税を免除されてきた大手銀の経営が正常化に向かうことになる。
りそなHDが11日、発表した12年3月期の連結最終利益は、前期比58.5%増の2536億円と、大幅増益を確保。中小企業金融円滑化法による返済猶予などで企業倒産が減り、不良債権処理費用が大幅に減少したことで、決算期をまたいで持ち越す赤字の「繰越欠損金」が解消し、納税再開にこぎつけた。
檜垣誠司社長は決算会見で、「赤字と資本不足という金融機関として最もいけないことをしてしまった。二度と国民のみなさんに迷惑をかけない」と語った。