豪ガス田権益、経営難で東電に余裕なし 官民3社肩代わり検討

2012.5.17 05:00

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 東京電力が三菱商事、日本郵船、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と共同で、オーストラリア北西部沖にある天然ガス田の権益の一部を取得する方向で検討していることが16日、分かった。総投資額は約3500億円になる見通し。東電は単独で権益取得を目指していたが、福島第1原発事故による経営難で余裕がなくなり、官民3社に参画を求めた。

 東電は9日に政府の認定を受けた総合特別事業計画で、「燃料の調達力の強化に向けて、上流の共同投資プロジェクトへの参画も行う」と明記しており、今回の共同取得はその第1号となる。4社の出資比率など詳細を詰めている。

 対象となるのは、米石油大手シェブロンなどが開発を進める「ウィートストーン液化天然ガス(LNG)プロジェクト」。2016年末から年間890万トンのLNGを生産する計画だ。

 東電はこのうち、年310万トンの調達契約を既に結んでおり、今回取得を目指す権益の比率は上流に当たる鉱区開発の10%と、中流のLNG事業の8%。実現すれば調達量は年420万トンまで増える見通し。

 東電は09年12月に鉱区開発の15%、LNG事業の11.25%を単独で取得すると発表。だが、昨年3月の原発事故後に火力発電向けの燃料費が大幅に増加し、12年3月期決算も2期連続の最終赤字を計上するなど経営難に陥ったことで、交渉が停滞していた。

 同権益には中国などの海外勢が関心を示しており、日本の官民で“肩代わり”する。権益を取得できればLNG調達の安定度が高まり、燃料費の抑制につながる期待がある。