東京スカイツリー 世界が認めた日本のゼネコン技術

2012.5.23 05:00

開業した東京スカイツリー

開業した東京スカイツリー【拡大】

 東京スカイツリーは、東京タワー(333メートル、東京都港区)に替わる首都圏の電波塔として2003年にプロジェクトが動きだし、東武鉄道貨物操車場跡地に08年7月着工、今年2月に完成した。総事業費は650億円。中国の広州タワー(600メートル)を抜き、世界一のタワーとしてギネス記録にも認定された。

 強風による揺れや耐震性を重視し、建設を請け負った大林組は通常の2倍の強度を持つ鉄骨を使用。東日本大震災で墨田区は震度5弱を記録したが、625メートルまで建設が進んでいたツリーの被害はほとんどなかった。

 日本のゼネコン各社の技術は海外でも数多く生かされている。熊谷組が04年に台湾の台北市に完成させた「TAIPEI 101(台北国際金融センター)」(508メートル)は、建物の27階から90階にかけて逆台形を重ねたデザインと全面ガラス張りの斬新さが高い評価を得た。

 09年に完成し、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイで2番目の高さ(360メートル)となる「アルマスタワー」は大成建設が建設。清水建設もシンガポールに高さ280メートルの「リパブリックプラザ」を1995年に完成させ、耐震設計の超高層ビルとして同国での先例となった。

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