ソニー・パナソニック、有機ＥＬ共同開発を正式発表　１３年内に量産確立

　ソニーとパナソニックは２５日、次世代の薄型テレビ向けの有機ＥＬ（エレクトロ・ルミネッセンス）パネルとパネルモジュール（複合部品）などを共同で開発する契約を結んだと発表した。両社は２０１３年内に量産技術を確立するとしている。

　今回の提携は、両社が得意とする技術を持ち寄ることでコストを低減し、開発期間を短縮するのが狙い。

　ソニーは、金属や酸化物などを蒸発させて、基板の表面に付着させる「蒸着」方式を用いて有機ＥＬ技術を実用化。２００７年に世界初の１１型有機ＥＬテレビを発売。その後、消費者向けからは撤退したが、１１年には２５型の業務用モニターを商品化し、放送や医療分野に展開してきた。

　一方、パナソニックは、大型化や低コスト化に優位な印刷方式の有機ＥＬ技術で先行する。　ソニーは蒸着と印刷技術を組み合わせた新方式の研究開発を進めており、パナソニックと組むことで開発効率を高める。

　また、両社は量産段階での協業も検討する方針で、ソニーと提携関係にある台湾の液晶パネル大手、友達光電（ＡＵＯ）に有機ＥＬパネルの生産を委託する案も浮上している。

　有機ＥＬテレビは、韓国サムスン電子やＬＧ電子が年内に５５型の有機ＥＬテレビを発売する計画。両社は次世代技術で巻き返しを図る。