野村HD、増資インサイダー謝罪 「裏切られた」株価低迷に不満の声 (1/2ページ)

2012.6.28 05:00

 野村ホールディングス(HD)は27日、都内のホテルで株主総会を開き、傘下の野村証券が主幹事を務めた複数の大型増資でインサイダー情報の漏洩(ろうえい)が相次いだ問題について、渡部賢一グループ最高経営責任者(CEO)が謝罪した。株価の下落や減配の一方で、2012年3月期の役員報酬総額が大幅増となったこともあり、株主からは怒号も飛んだ。インサイダー問題については近く社内調査結果や改善策を発表する予定で、信頼回復に向けて踏み込んだ内容を示せるか厳しく問われそうだ。

 株主総会は報道陣に非公開で行われ、昨年より298人多い1852人の株主が出席した。同社によると渡部CEOは冒頭で、「株主やお客さま、多くの関係者にご心配とご迷惑をおかけし、誠に申し訳ない」と頭を下げた。

 だが株主からは、月内をめどに公表するとしているインサイダー問題の調査結果について「総会前に出すのが筋ではないか」と批判が上がり、渡部CEOは「依頼した社外の弁護士からの報告がまだ来ていない」と弁明した。

 総会終了後、横浜市から来た50代の女性株主は「インサイダー問題には裏切られた気持ち。信頼を回復し、少しでも株価を戻してほしい」と話した。