海外の電子書籍大手の国内参入が迫る中、迎え撃つ日本の電機メーカーに戦略転換の動きが出てきた。シャープやソニーはスマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末で電子書籍を閲覧できるサービスを拡充し、「脱専用端末」を加速させる。一方で、米ネット通販大手アマゾン・ドット・コムが専用端末「キンドル」の販売を近く日本で始め、楽天も今夏からカナダ製の端末で事業拡大に乗り出すなど乱戦模様となってきた。
シャープは29日、複数の電子書店で購入したコンテンツを手軽に管理できる配信システム「ブック・イン・ザ・ボックス」をスマホ向けなどに始めると発表した。新システムに対応した書店で購入した書籍なら、1つのアプリ(応用ソフト)で漫画や小説などをまとめて管理・閲覧できる仕組み。7月4日から同社の電子書籍配信サービス「ガラパゴス・ストア」などで利用できる。年内に10の電子書店が導入する予定という。
ソニーも同日、同社のスマホ「Xperia(エクスペリア)」向けの専用アプリを公開した。