佐川急便(京都市南区)の男性宅配ドライバーが、巷の女性たちの熱い視線を集めている。「佐川の人ってイケてるよね」「あの縞シャツ姿がいい」とネット上で評判になり、ファンサイトが立ち上がると、テレビや雑誌でも取り上げられるように。今月末にはイケメン宅配ドライバー50人を紹介した写真集も出版されるなど、盛り上がる一方。その背景には、企業のブランド力を高め人材確保につなげたいという、佐川流のマネジメントがあるようだ。(横山由紀子)
携帯電話の番号が!
「佐川急便でーす」。佐川急便大阪店(大阪市此花区)所属の宅配ドライバー、上平唯人さん(24)はいつものように得意先の企業に荷物を届けた。顔見知りになった20代の事務の女性が飛び出してくる。荷物をうけとり印鑑を押すと、女性は上平さんの手に、さっと小さな紙片を押し込めた。後で開いてみると、携帯電話の番号が。
「むげにお断りするわけにもいきませんからとりあえずお預かりしましたが、電話はかけていません。公私のラインはきちんと区別しています」と上平さんははずかしそうに笑う。
上平さんに限らない。藤井寺店(大阪府藤井寺市)所属の廣瀬拓也さん(26)は、「荷物を届けたら、合コンの誘いを受けました」と告白する。
同社の男性宅配ドライバーに注目が集まるようになったきっかけは、インターネットだった。数年前にネット上にファンサイトができるなど静かなブームが広がりはじめ、昨年、深夜のトーク番組で、タレントのマツコデラックスさんや小泉今日子さんらが、「佐川マンにはイケメンが多い」と発言すると、一気に盛り上がった。