捨て身?au、“禁断”無料通話の賭け LINE提携でデータ通信量増狙う (1/3ページ)

2012.7.12 05:00

「LINE」

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 KDDI(au)が、インターネットを利用する無料通話サービス事業者との提携を強化している。老舗の「スカイプ」に続き、スマートフォン(高機能携帯電話)向けアプリ(応用ソフト)の「LINE(ライン)」とも連携し、契約者数やデータ通信収入を押し上げる効果を狙う。もっとも、無料通話が浸透すれば音声通話収入の減少につながる「もろ刃の剣」の戦略だけに、ライバルのNTTドコモやソフトバンクモバイルは静観の構えだ。捨て身にも見えるKDDIに勝算はあるのか。

IP電話移行を視野

 「『LINE』は新しいコミュニケーションのスタイルであり、双方の長所が進展することを期待している」

 KDDIの高橋誠専務は3日、LINEを展開しているNHNジャパンの新サービス発表会に参加し、提携のメリットをこう強調した。さまざまなアプリを月額390円で利用できる「auスマートパス」のラインアップに9月から専用のLINEを加えることで、スマートパスの加入者増を目指す。

 2011年6月にサービスが始まったLINEは、ユーザー同士が通話やメッセージを無料でやりとりできる上、イラストで感情を表現する「スタンプ機能」が人気を呼び、登録ユーザーは、海外のほぼ全域に拡大。わずか1年後の12年6月には世界で4504万人(うち国内2088万人)に達し、「年内に1億人を目指す」(NHNジャパンの森川亮社長)と鼻息は荒い。

「KDDIは先手を打ったといえる」。音声通話が抱える未来

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