NTTドコモ社長の加藤薫氏【拡大】
NTTドコモは13日、携帯電話の高速通信規格「LTE」で音声通話もできるスマートフォン(高機能携帯電話)を、2013年度内にも発売する方針を明らかにした。現在のデータ通信専用のLTE回線は周波数の利用効率が最大3倍向上するため、音声通話でも利用できれば、ネットワーク設備の簡略化が可能になる。大幅な通話料の引き下げにも道を開く技術で、通信各社の追随で料金競争に火が付く可能性も出てきた。
同じ電話番号で通信事業者を変更できる番号持ち運び制度(MNP)導入以来、ドコモから他事業者への流出は約360万件と苦戦を強いられている。ドコモは新サービスの先行投入で、反転攻勢を狙う。
ドコモは10年12月から、高速データ通信用にLTEサービス「Xi(クロッシィ)」の提供を開始。音声通話は従来の第3世代携帯電話(3G)「FOMA(フォーマ)」の回線を併用している。LTE回線を利用した音声通話については、総務省が今年度末までに技術基準を省令として公布する見通し。