ミリ秒の戦い…東証に勝算はあるのか ライバルは速さ10倍 (1/4ページ)

2012.8.6 05:00

 東京証券取引所が7月から株式売買システム「アローヘッド」の処理能力を従来の2倍に引き上げ、注文を受けてから売買が成立するまでの時間を1000分の1秒以下に高速化した。巨額の資金を運用する機関投資家を中心に、国内外でコンピューターによる自動発注の利用が増え、相場の値動きに合わせて資金を瞬時に決済したいというニーズが高まっているためだ。ただ、世界の主要取引所では東証を上回る超高速システムの稼働が相次いでおり、アローヘッドは見劣りしつつある。来年1月の大阪証券取引所との経営統合後の取引システム戦略が注目される中、東証に巻き返しの勝算はあるのか。

 存在感増すHFT

 「アローヘッドがあるから世界的なヘッジファンドが取引に参加してくれている。(システムが)昔のままだったら今回の業績は報告できなかった」

 東証の斉藤惇社長は7月27日の2013年4~6月期決算発表で、欧州債務危機の逆風にもかかわらず最終利益を前年同期比46%増と伸ばせたことを引き合いに、アローヘッドの“貢献”をこう強調した。

世界のヘッジファンドを呼び込めるかが業績を大きく左右する

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