鉄筋コンクリート(RC)造りが多い比較的大規模な建築物に「木造」を採用する動きが広がっている。温かみのある見た目が好評なことから高齢者施設などの発注が増加。三井ホームが大型施設の建設事業を本格化させるほか、大手ゼネコン(総合建設会社)も受注の拡大に取り組んでいる。利用が減少する国産木材の需要拡大にもつながりそうだ。
三井ホームは今秋、設計部門に施設系木造建築物のチームを新設し、耐火木造の大規模施設事業を本格化させる。
「少子高齢化の影響もあり、木造住宅の味わいで施設を作ってほしいという需要が急速に高まってきた」(清野秀樹・常務執行役員)といい、受注実績のある高齢者施設を中心に販売を強化する。
同社は、柱ではなく壁を使って建物を組み上げるツーバイフォー(2×4)の耐火木造建築を採用。RC造りより1割程度コストが安く済み、規模によって異なるものの工期を4割程度短縮できるという。
一方、竹中工務店は、国内初となる耐火木造を採用した4階建て大型商業施設を横浜市青葉区に建設する。