米国市場を舞台にしたハイブリッド車(HV)の競争が激化してきた。トヨタ自動車の「プリウス」の成功に触発されたほか、米当局の環境規制強化にも背中を押され、世界の自動車メーカーが戦略車や新車の投入を競っている。
「燃費性能には自信をもっている」
米フォード・モーターが、プリウスの「刺客」として今秋発売するHV「C-MAX」は、燃費が1ガロン(約3.8リットル)当たり47マイル(約75キロ)と、「プリウスV」を上回る。
最大手ゼネラル・モーターズ(GM)は、プラグインハイブリッド車(PHV)「シボレー・ボルト」が電池発火問題から立ち直り、7月の販売実績でプリウスのPHVを上回った。
経営再建が軌道に乗った米メーカーは、エコカー開発資金に余裕が生まれ、トヨタ包囲網に本腰を入れ始めたようだ。
一方、欧州メーカーは、債務問題に揺れる欧州市場の環境悪化に対応し、好調な米市場への傾斜を強める。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)は、米市場向け主力車「ジェッタ」で今年末にHVを投入する。カリフォルニア州に研究拠点を新設し、開発面でもエコカー戦略を加速する方針だ。