ホンダが軽自動車のシェアを急伸させている。昨年末に発売した「N BOX」の販売好調で、シェアは倍増し、「2強」のダイハツ工業、スズキに迫る。コンパクトカー戦略に伴う軽の強化が奏功し、国内軽自動車市場は「3強時代」が視野に入ってきた。
(古川有希)
全国軽自動車協会連合会によると、今年1~7月の軽乗用車のホンダの国内シェアは16・9%で、昨年の8・6%からほぼ倍増した。OEM(相手先ブランドによる生産)調達で軽を販売している日産自動車を抜いて3位に浮上、20ポイント以上あった2位のスズキとの差も約10ポイントにまで縮めた。8月の契約も好調で、「3強」の座を確立しようとしている。
急伸の要因は「N BOX効果」だ。軽では最大級という室内空間の広さやスライド式のドアなど、「軽らしくない機能を充実させた」(N BOXの開発責任者)ことで幅広い層の支持を広げている。
4月に軽の車名別新車販売台数でダイハツの「ミラ」を抜き、7月まで4カ月連続でトップを維持。7月に発売した派生車種の「N BOX+(プラス)」も、発売から約2週間で、月間目標販売台数の2倍の6000台超を受注した。今秋には新型「N ONE」の発売も控える。