シャープ、なぜここまで崩れ落ちたのか 栄華極めた液晶の限界 (1/3ページ)

2012.9.2 21:16

 液晶テレビの代名詞にもなった「亀山モデル」で、一世を風靡(ふうび)したシャープ。高い技術力で製品の付加価値を高め、国内雇用を守り続けたシャープの経営は、産業空洞化を余儀なくされる日本の製造業にとっても理想のモデルだった。

 電子機器の受託製造で世界最大手の鴻海(ホンハイ)精密工業との提携を軸に再建を急ぐが、液晶で栄華を極めたシャープの経営は、なぜここまで崩れ落ちたのか。

 「21世紀には、ブラウン管を液晶テレビにすべて置き換える」。平成10年に社長に就任した町田勝彦社長(現相談役)は、液晶分野に経営資源を集中した。

 16年には液晶パネルの亀山工場(三重県亀山市)が稼働。日本で生産する「亀山モデル」の液晶テレビは、最先端技術の象徴として爆発的に売れた。「液晶のシャープ」の礎を築き、地元の雇用にも貢献した。

 だが、薄型テレビをめぐる環境は一変する。部品を集めて組み立てれば、一定の性能を持つ製品がつくれる時代になった。

分岐点は、大型液晶パネルの堺工場の稼働だった

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