関西国際空港に格安航空会社(LCC)専用の「第2ターミナルビル」が10月末、オープンした。施設の簡素化を徹底し、外観はほとんどプレハブ。内部も天井は鉄骨がむき出しで、第1ターミナルとは“雲泥の差”だ。
一部には「運賃が安いから簡易な施設に利用者を押しやるのか。格差社会の象徴か」との声も聞こえてくる。しかし、実際はLCC、新関空会社の思惑が一致した施設で、双方とも利用拡大に意欲をみせている。
整備費は第1ターミナルの18分の1
関空の2期島。JR西日本と南海電気鉄道の関西空港駅近くから、無料のシャトルバスに揺られて約7分の開けた土地にぽつんと建つのが第2ターミナルだ。
平屋建てで、見た目はプレハブ倉庫。一歩足を踏み入れると、天井に加え、柱の鉄骨もそのままで、エスカレーターもない。白を基調にした明るい雰囲気ではあるが、殺風景な印象は否めない。整備に1500億円をかけた第1ターミナルに対し、第2ターミナルは約18分の1の85億円のため当然といえば当然だ。