シャープ本社=大阪市阿倍野区【拡大】
複数の証券取引所に株式を上場する「重複上場」の解消が相次いでいる。13日には経営不振のシャープとNECが名古屋、福岡、札幌の各取引所への上場を廃止。NECは月内に大阪証券取引所への上場も廃止し、東京証券取引所に絞り込む。
上場維持に必要な経費や事務負担を軽減するのが狙い。取引量が少なく、上場のメリットが薄れているのも理由で、地盤沈下に悩む地方証取の打撃は大きい。
NECは4取引所への上場廃止で年間200万円程度の経費を減らす。また、「開示資料の形式が取引所間で微妙に違い、準備に手間がかかっていた」といい、経費以上に事務負担がなくなる効果が大きいとみている。
2012年3月期に1000億円を超える連結最終赤字を計上し、今期以降の復活を目指す同社にとって、「聖域なきコスト削減」に取り組む姿勢を投資家に示す狙いもある。
業績堅調でも5月に名証など3取引所への上場を廃止した日本たばこ産業(JT)のような例もある。同社は年間約100万円の経費削減に加え、「11年は3取引所の取引がゼロだった」と、取引低迷を理由に挙げる。