インタビューに応える東京電力の広瀬直己社長=9日午前、東京・内幸町の東電本店(吉村英輝撮影)【拡大】
東京電力の広瀬直己社長は9日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応え、環境負荷の少ない「グリーン電力」を特定して購入できる新たな料金プランを導入する考えを明らかにした。実現すれば、国内の電力会社では初。料金は通常より割高となるが、環境意識の高い企業や個人のニーズを見込み、原子力発電の稼働停止で悪化する収支の改善につなげる。
グリーン電力は、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電力のこと。米国などでは追加料金を払って購入する動きが広がっている。日本では再生エネの推進企業を民間団体が認定する「証書」や、個人が電力会社に寄付する「基金」などの制度はあるが、対応した料金メニューはまだない。
東電は浮島太陽光発電所や扇島太陽光発電所(いずれも川崎市)など、再生エネの導入を進めている。ただ、これらのグリーン電力は9月に値上げした家庭用料金などの原価に組み込んでいるため、切り分けて販売することはできない。