大和ハウス、中国リスク回避 ベトナムで事務処理代行業

2012.11.15 05:00

 大和ハウス工業は14日、ベトナム子会社で、生産設計や経理などの事務処理代行業務を始める方針を明らかにした。事務処理代行事業は現在、中国・大連の子会社で展開している。だが沖縄県・尖閣諸島の国有化後の日中関係の悪化などを受け、中国だけで業務を行うリスクを回避するため、ベトナムでの事業化を決めた。

 来年初めをめどに子会社のダイワハウスベトナム(ハノイ市)に事務処理センターを新設し、業務を開始する。すでに採用活動を進めており、10~20人でスタートする計画だ。

 代行する業務は、注文住宅や集合住宅の設計図を、工場生産用の図面に書き換えるなどの作業や経理処理など。大和ハウスのグループ企業からだけでなく、経理では他社からも業務を受託している。

 中国の拠点に業務を依存するリスクに加え、大連では約300人がフル稼働の状況で、人件費も高騰していることからベトナムで業務を補完することにした。

 大和ハウスはホーチミン市の駐在員事務所を支社に格上げし、工業団地の建設事業に本格的に取り組むなど、ベトナムでの事業拡大も加速している。