火力発電部門の事業統合で握手する日立製作所の中西宏明社長(右)と三菱重工業の大宮英明社長=29日午後、東京都千代田区の帝国ホテル【拡大】
三菱重工業と日立製作所は29日、火力発電を中心とする発電事業を統合する、と発表した。2014年1月をめどに三菱重工が65%、日立が35%を出資する新会社を設立する。それぞれ別の海外メーカーと提携する原子力発電は統合の対象外。原発代替で需要が拡大する火力発電の競争力を高め、世界2強の独シーメンスと米ゼネラル・エレクトリック(GE)を追い上げる。
統合するのは、火力発電のほか地熱発電などで、売り上げ規模は合計で約1兆1000億円。
「追い込まれての統合ではなく、グローバルで勝つための統合だ」。29日の会見で、日立の中西宏明社長は統合の狙いをこう語った。両社はこれまで、製鉄機械や水力発電機器を統合し、社会インフラ事業で親密な関係にあったが、中核事業の火力発電で統合を決めたのは事業規模を一気に拡大し競争力を強化する狙いからだ。
国内の発電事業ではトップクラスの両社だが、火力関連事業の売上高は両社合わせても独シーメンス(約2兆9000億円)やGE(約2兆5000億円)など海外の競合には及ばない。