工作機械の受注額【拡大】
工作機械メーカーが海外進出を加速させている。自動車や電機、機械など国内メーカーが生産拠点の海外シフトを強めたことに伴い、国内の受注額がピーク時の半分程度に落ち込み、海外に活路を見いだすしかないと判断したからだ。精度や性能の高さで世界から信頼されている「メード・イン・ジャパン」の工作機械を納入先に近い拠点で生産・供給し、新たな成長軌道をつかもうと模索している。
為替リスク不可避
「日本のものづくりは大丈夫なのか。このままでは製造現場は駄目になる」。日本工作機械工業会の横山元彦会長(ジェイテクト会長)をはじめ業界各社の幹部は、国内製造業の将来を憂うるとともに、日本の技術力を支えてきた工作機械業界の先行きに危機感を強めている。
というのも工作機械の内需が急速に減り、歯止めがかからないからだ。国内の1カ月当たりの平均受注額は2005年が622億円だったのに対し、12年は10月までの平均で320億円と半減。歴史的な円高水準に対応するため、主要製造業が海外生産を拡大した影響が大きい。