セコムが試作した飛行型の監視ロボット=26日、東京都渋谷区【拡大】
セコムは26日、防犯用自律型飛行監視ロボットの試作機を報道陣に公開した。“空飛ぶ監視カメラ”といえるもので、民間防犯用としての飛行型監視装置は世界初。「2014年の実用化」(前田修司社長)を目指す。
開発したロボットは、小型ヘリコプターに、各種センサーや制御装置を取り付けた。セコムの各種セキュリティーシステムと連携して動く。不審な車や人物がいた場合、自動で飛んで接近し、車のナンバー、不審者の顔などを撮影。その映像をリアルタイムでセキュリティーセンターに転送する。LED(発光ダイオード)ライトによって、夜間でも車や衣服の色を正確に撮影できるという。
センサーによって不審者との距離を一定に保つことができ、たたき落とそうとしても、素早く避けることができる。GPS(衛星利用測位システム)によって契約敷地の外には飛び出さない。現在、ベースとなるヘリはドイツ製の市販品だが、商品化の際には自社製に切り替えることも検討している。
レンタル価格は「月額5000円程度にしたい」(前田社長)とし、初年度販売目標は1000台に設定した。「国内に80万件ある既存のシステムに追加できる」(小松崎常夫執行役員)ため、利用者が新しい活用法を開発することも期待しているという。