シャープの奥田隆司社長は7日、大阪市内で記者団に対し、同社のスローガンを「作り手論理のオンリーワン」から「顧客重視のナンバーワン」に転換する考えを示した。
また、4月から個人、法人、メーカーの3顧客別のカンパニー制導入を検討していることを明らかにした。顧客の特性に応じた経営への転換を目指す。
同社のオンリーワン戦略は町田勝彦相談役が平成10年に社長に就任した際から提唱。液晶分野で進め、同社を「液晶のシャープ」に成長させたが、亀山第2工場(三重県亀山市)や堺工場(堺市)への過剰投資のほか、液晶テレビの汎用(はんよう)品化による低価格化で採算が悪化、経営危機の原因とされている。奥田社長は「間違ったオンリーワンになっていた。顧客視点に立ち戻る」と強調した。