研究室で行われているミドリムシの培養技術の研究【拡大】
体長が0.1ミリ以下の微細藻類であるミドリムシ。びん毛を持って自ら動き回る動物的性質と、葉緑素による光合成を行う植物的性質を兼ね備える。このミドリムシを沖縄・石垣島で大量培養しているのが、昨年12月に東証マザーズに上場したユーグレナだ。
現時点では食品などのヘルスケア事業が主力だが、今後は本格的な実用化が期待されているジェット燃料や二酸化炭素(CO2)固定化技術といった環境関連事業に注力する。
地球温暖化や原油価格の高騰などに伴って、トウモロコシやサトウキビなどを由来とした自動車用バイオ燃料をめぐる動きが活発化している。一方、飛行機用のジェット燃料は実用化に至っていない。植物から絞り出した油の成分は、ジェット燃料用成分と大きく異なるからだ。
これに対して、ミドリムシを活用した燃料は「軽質かつ高品位でジェット燃料に近い」(出雲充社長)という特性を兼ね備えている。