富士経済が4日発表した2011年の国内の健康・美容食品の市場規模は、前年比4.5%増の6849億円と大幅プラスとなった。シニア需要の拡大で、加齢に伴う痛みを和らげる成分を含んだ食品やサプリメントの市場が大きく伸びたほか、視覚改善をうたった食品などの販売も堅調だった。テレビCMなどの販促を充実させた大手企業に需要が集中する傾向がみられた。
カテゴリー別では、カルシウムやグルコサミンなど、骨や関節を強くする成分を含んだ食品などが、同22.1%増の547億円と大幅に市場を拡大したほか、コラーゲンやヒアルロン酸を配合した商品が同9.1%増の740億円、ブルーベリーなどの素材を含み、白内障予防を狙った食品などが同4.7%増の446億円と、中高年の加齢に伴う症状改善に役立つ商品が好調だった。
調査では「積極的なプロモーションを展開する企業などに需要が集中するなど、企業間格差が生じている」と指摘。市場拡大の要因について、テレビCMなどの販促強化による部分も大きいと分析している。
最近は、類似商品や新規参入企業の増加などによる競争激化も顕在化。このため、12年度の市場予測については、1.6%増の6961億円と、プラス傾向は維持されるものの、拡大幅は縮小する見込みだ。