第一三共は14日、筋肉が次第に萎縮して体が動かなくなる難病「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」の治療薬を開発する新会社「オーファン・ディジーズ・トリートメント・インスティテュート」を早ければ2月中に設立すると発表した。開発資金の大半を官民投資ファンドの産業革新機構と三菱UFJキャピタルが追加出資の形で拠出し、2020年ごろの国内販売開始を目指す。
革新機構は第三者割当増資を引き受け、16億5000万円を上限に新会社に出資する。官民連携によって第一三共は開発時の資金負担を抑えられる。製品化にめどがつけば第一三共は革新機構などの保有株を買い取る。
同型の筋ジストロフィーは新生男児の約3500人に1人が発症する遺伝性の疾患で、20~30代で亡くなるケースが多い。患者数が少ないことから治療薬の開発は遅れており、現時点では有効な治療法がない。
第一三共は筋ジストロフィーの研究に取り組む神戸学院大や神戸大学大学院の協力を得て、新会社と共同で治療薬の開発に取り組む。