東ソーは22日、リチウムイオン電池の破裂や燃焼を防ぐ新素材を開発し、2014年度から販売すると発表した。電池材料の電解液に混ぜて使う液体で、現在、複数の国内電池メーカーと性能評価を進めている。
米ボーイング社の787型航空機がバッテリーの発火トラブルで運行停止を余儀なくされている中、安全対策の1つとして注目される。
新素材は、破裂などの原因となる電解液の分解を抑える「PFシリーズ」と、電解液を燃えにくくする「TFEP」の2種類。いずれも子会社の東ソー・エフテック(山口県周南市)が開発し、年間10トンずつの年産能力を持つ。
PFシリーズを電解液に5%混ぜ、85度の高温で2カ月間保存した同社の試験では、混ぜない場合に比べ電解液の分解を約100分の1に抑えられた。充電や放電など電池の性能自体は良好だったという。
また、綿状のガラス繊維を電解液に浸して燃やす試験では、TFEPを20%混ぜた電解液に浸したガラス繊維は5秒以内に火が消えたのに対し、混ぜない場合は80秒間燃え続けた。
リチウムイオン電池はこれまでは携帯電話やパソコンなど比較的小型の電子機器向けだった。今後は電気自動車(EV)や電力貯蔵用など大型分野での需要拡大が見込まれているが、一方でリスクが高まることも指摘されている。高温下で長時間使うと、電解液の分解が進んで電池内部の圧力が上昇し、破裂する危険性がある。電解液は可燃性物質を含むため燃えやすく、異常時の発火が懸念されている。