揺るがぬ自信、電池開発で世界へ 元三洋電機技術者の雨堤徹さん (1/6ページ)

2013.3.5 10:00

研究所内の機器を説明する雨堤徹氏。規模は大きくはないが「やれることはいくらでもある」と話す=兵庫県洲本市

研究所内の機器を説明する雨堤徹氏。規模は大きくはないが「やれることはいくらでもある」と話す=兵庫県洲本市【拡大】

  • 小型リチウムイオン電池の世界シェア

【再挑戦】Amaz技術コンサルティング代表・雨堤徹さん

 がらんとして殺風景な研究室の扉を開けると、黒塗りのスポーツカーが目に入った。

 「テスラじゃないですか」

 「そう、2011年に発注して、1週間前に並行輸入で届いたばかり」

 楽しそうに、そして少しばかり自慢げに、Amaz技術コンサルティング合同会社代表、雨堤(あまづつみ)徹(55)は視線を向けた。

 神戸・三宮駅前から高速バスに乗り、明石海峡大橋を渡って淡路島へ。到着したバス停の目の前には、高田屋嘉兵衛(かへえ)をたたえる巨大な石碑が立っている。司馬遼太郎が「菜の花の沖」で描いた、江戸時代の豪商だ。

 雨堤が12年に、自らの研究開発施設として兵庫県洲本市に立ち上げたAmaz研究所は、そのバス停からさらにタクシーで10分ほど南下した「鳥飼」という地名のところにある。辺りは田んぼ、畑。ぽつぽつと民家がある。いかにものどかで、産業集積という感じはまるでない。

 「鳥飼から世界へ」

 「うちの会社のモットーはね、『鳥飼から世界へ』なんですよ。ええ、十分可能ですよ」

自分の考える未来とは違う方向に、会社が進んでいる

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