4月1日の持ち株会社制への移行に伴い、ANAホールディングス傘下の中核事業会社となる全日本空輸の社長に就く篠辺修副社長は18日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、米ボーイングの787型機の運航停止に関し、ボーイング側に損害賠償を求める考えを明らかにした。賠償請求の方針を打ち出している航空会社はLOTポーランド航空などわずかだが、導入数が最も多い全日空が請求すれば、日本航空なども追随する可能性がある。
全日空は17機のB787を導入済みだが、運航を停止した1月16日から5月末までに国内線、国際線合わせて3601便が欠航する。1月には14億円の減収となるなど収益に影響が出ている。篠辺氏は「(賠償請求の方針は)先方に伝えてある」とする一方「交渉のテーブルにはついていない」と述べた。また、米連邦航空局(FAA)がバッテリーを改善したB787の試験飛行を認め、運航再開の可能性が高まったことを「大きな一歩」と歓迎。「対策を行えばただちに飛べる」として、数カ月以内に再開できるとの見通しを示した。
1月中の発表予定が4月末にずれ込んだ中期経営計画については「(基本方針の)大きな変更はしなくていい」と述べ、羽田、成田の両国際空港の発着路線を中心に国際線を拡充する方針を堅持する考えを強調した。