シェールガス革命で息を吹き返す米国製造業の新たな設備投資やインフラ需要などを取り込もうと、大手商社が米国投資にアクセルを踏んでいる。三井物産は、出光興産とガスを使った化学事業に乗り出すのを手始めに、他のエチレン生産プロジェクトへの参加も検討。三菱商事は、三菱重工業と組んで化学プラントの心臓部にあたるコンプレッサーで販売攻勢をかける。丸紅はガス火力事業、住友商事はインフラ需要をにらんで、強みの鋼管ビジネスを拡充する。各社とも、将来産油国に転じると予想される米国の経済復調に手応えを感じている。
石油や化学産業が集積するテキサス州ヒューストン市近郊のフリーポート市は今、化学メーカーの一大投資ブームに沸く。安価なガスを使うことでエチレンなどの基礎化学品の製造コストが一気に低下、国際競争力が高まったためで、米ダウ・ケミカルやエクソン・モービルなどの増産計画がめじろ押し。
三井物産は出光と組み、米国南部で自動車用潤滑油や家庭用洗剤の原材料「アルファオレフィン」を2016年から生産する。