【ビジネスアイコラム】
政府は2015年までにブロードバンド(高速大容量)サービス普及率100%の目標を掲げているが、地方と都市部の情報格差は広がりこそすれ、是正された形跡はない。10年の目標だったブロードバンド・ゼロ地域の解消も実は達成されていないことが、総務省の調査で明らかになった。
東京から南に290キロメートル。黒潮洗う八丈島では、ソフトバンクの孫正義社長がいまも“島の大恩人”とたたえられている。
10年前、NTTグループが通信回線の大容量化を渋る中、孫氏がADSL(非対称デジタル加入者線)サービスの提供に名乗りをあげ、それをきっかけにNTT東日本の大容量海底ケーブル敷設につなげたからだ。
数年前までブロードバンドの主役だったADSLの契約数は光サービスの普及によって減少の一途だが、ADSLはNTTの通信回線がなければサービスできない。