プローブを差し込んだ状態のV600(左)【拡大】
山本化学工業(大阪市生野区)は、放射線測定機器の補助具「バイオラバーRSMセンサーポットV600」を東日本大震災の原発事故による放射線被害を受けた福島県の市町村などに10台寄贈する。V600を使うことで測りたい部分の放射線量だけを正確に測定できるため、除染効果などを正確に把握できるようになる。
放射線測定器の先端部にあるプローブ(検知部分)をそのまま測定対象物に向ける方法では空気中の放射線量も検知してしまうため、対象物だけの値を知ることが困難だった。このため除染前後の違いを正確に把握できなかった。また、高い線量の場所を最優先して除染すべきだが、風向きだけで線量が変化するため、その場所の線量を正確に把握することも難しかった。
こうした弊害を除くために開発したのがV600。放射線測定器のプローブを直径4センチの穴に挿入するだけで、表面のカバーに採用した放射線遮蔽素材の特殊ラバーが対象物以外の放射線をブロック。対象物の線量を正確に測ることができる。