電気事業連合会は12日、2012年度の原発の設備利用率(稼働率、速報)が前年度の23.7%から大幅に減少して3.9%となり、国内で商業用原子炉の運転が始まった1966年度以降の過去最低を2年連続で更新したと発表した。年度ベースで1桁台に落ち込むのは初めて。一方、発受電電力量は節電意識の浸透により2年連続で減少した。
国内の原発は昨年5月に北海道電力泊原発(北海道)3号機が定期検査入りしたことで、42年ぶりに全基が停止。7月に関西電力大飯原発(福井県)3、4号機が再稼働したが、他の原発は国のエネルギー政策の混乱で停止したままだ。
同時に発表した電力10社の発受電電力量では、原発停止を代替した火力発電の電力量が9.2%増の6667億7000万キロワット時となり、3年連続で増加した。
各社の経営を圧迫している火力燃料の消費量は、液化天然ガス(LNG)が5578万トンで過去最高を記録。震災の影響が少ない10年度と比べて34%増加した。重油と原油は計2954万トンで、同2.67倍となった。
全体の発受電電力量は前年度比1.5%減の9236億1000万キロワット時だった。東北では震災による落ち込みの反動増がみられたが、原発停止による電力不足を補うため家庭や企業で節電意識が浸透したことなどが需要を押し下げた。
一方、3月の電力10社の発受電電力量は節電の影響や気温が高めに推移して暖房需要が減少したことで前年同月比7.1%減の760億7000万キロワット時となり、3カ月連続で減少した。
発受電電力量は、電力会社が自ら発電する量に電力卸会社など他社からの受電量を加えたもの。