【キラリ!わが社の商品・サービス】玉の肌石鹸 「花」の新ブランドで販路拡大

2013.4.16 05:00

 ■「TAMANOHADA」誕生10年

 「芳誠舎」として誕生以来、今年創業121年を迎える玉の肌石鹸(せっけん)。国内外の大手化粧品会社などのOEM(相手先ブランドによる生産)を主業務とする同社が、2003年に誕生させたオリジナルブランド「TAMANOHADA」は、高感度なセレクトショップなどを中心に置かれる“知る人ぞ知る”ヒット商品だ。

 製造を行っているのはすべて東京都墨田区の本社工場。丸い形のせっけんを筆頭に、シャンプー、コンディショナー、リキッドソープなどを展開。品質に加え、デザイン性と香りを重視している。

 香りに合わせ「000」から「005」までの名称をつけた各6種類。天然精油を使用(ムスクのみ合成)し、ラベンダー、ローズといったなじみのものからガーデニア(クチナシ)、フィグ(イチジクの葉)などの香りも。丸いせっけん「TAMANOHADA SOAP」は持って手になじむ、感性に訴えかけるデザインとなっている。

 「発売当初、せっけん1つが税込み840円という価格は冒険だった。だが受託ではなく、他にできない質の高いブランドを独自に作りあげることが安定収益と会社の価値向上につながると考えた」と田口大輔営業部アシスタントマネージャー。その後、イスラエルなどの高価な海外輸入品も国内市場に増え始め、消費者意識も変わった。シャンプーもノンシリコンブームが訪れ、問い合わせも増えた。

 デザイン性の高い雑貨などが集まる伊ミラノの国際家具展「ミラノサローネ」に2006年と08年に出品。欧州での評判も広がり、仏パリのセレクトショップ「merci」、独ベルリンのせっけん専門店「1000&1 Seife」など海外のバイヤーも買い付けに訪れる。国内の高級旅館にも採用され、新たなOEMの機会も創出した形だ。

 TAMANOHADA誕生から10年を迎え、同社は4月から新たなブランド「FLOWER」を誕生させた。花のエキス入りのハンドソープ、ハンドローション、浴用せっけんなどのシリーズで、第1弾はミモザ。季節に合わせて新しい花を追加していく予定。百貨店、フラワーショップなどより広いターゲットに向け展開する考えだ。

 本社研究棟の一部を利用し、昨年12月にオープンしたショップ&ショールームを、4月から「OLFACTORY(オルファクトリー)」の名称でリニューアル。研究開発者が常駐し、成分や使い心地の特徴など気軽に質問でき、限定品販売も行う。芸術家などとのコラボレーション企画も行いたいという。

 敷地には関東大震災を耐え抜いたレンガ造りの工場もあり、少し変わった散歩スポットとしてもムードを提供している。(高梨美穂子)

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