資生堂が26日発表した2013年3月期の連結決算は、最終損益が146億円の赤字(前期は145億円の黒字)となった。最終赤字転落は05年3月期以来8年ぶり。14年3月期の連結業績見通しについては、最終利益を200億円の黒字とした。国内外の売り上げ増加と「選択と集中」に基づく投資配分で、業績のV字回復を狙う。
13年3月期連結決算は、売上高が前期比0.7%減の6777億円、営業利益が33.4%減の260億円。米子会社「ベアエッセンシャル」の不振による減損で最終赤字になったことを踏まえ、13年3月期の取締役の賞与をゼロに、執行役員についても大幅に減額した。
会見した前田新造会長兼社長は「全方位型のマーケティング展開で経営資源が分散した。徹底した選択と集中で、強い領域をより強くする」と説明し、特に日本・中国・米国の3市場に注力する方針を示した。
国内では、小売りをサポートする新会社を設立。主力ブランド「エリクシール」「マキアージュ」などを強化するほか、成長が見込めるシニア市場で新たなラインを開発する。