ボーイング787型機の試験飛行への搭乗を終え、タラップを降りる全日空の伊東信一郎会長(手前)ら=28日、羽田空港【拡大】
全日本空輸は28日、改良したバッテリーシステムを搭載したボーイング787型機の試験飛行を行った。国内でB787が飛ぶのは、バッテリーの発煙などのトラブルが相次いだことを受け、運航を停止した1月16日以来、約3カ月半ぶり。約2時間の飛行で不具合がないかチェックしたが、全日空によると異常は確認されなかったという。
全日空機は午前9時ごろ羽田空港を飛び立ち、東京・八丈島上空と和歌山県上空を経由した後、約2時間後に羽田に戻った。乗務員6人のほか、全日空の伊東信一郎会長と米ボーイング民間航空機部門のレイモンド・コナー最高経営責任者(CEO)ら25人が同乗した。
試験飛行後の会見で伊東会長は「ようやくここまで来た。安全プラス安心な飛行機を届けないといけないとの思いを強くした」と述べた上で、6月1日の営業運航再開を目指すとともに、旅客需要が多い場合などに臨時便として5月に使う可能性があるとことも明らかにした。
一方、ボーイングのコナー氏は「(改良バッテリーは)全日空と日本航空から整える」と説明し、機体改修は日本の2社を優先する考えを示した。
日米の航空当局は26日にB787の運航再開を承認しており、海外ではエチオピア航空が27日(現地時間)に商業運航を再開した。