富士通が30日発表した2013年3月期の連結決算は、最終損益が729億円の赤字(前期は427億円の黒字)に転落した。国内外の人員削減や半導体工場の売却などリストラ関連費用で、1505億円を特別損失として計上したことが響いた。
今期(14年3月期)は450億円の黒字(前期は729億円の赤字)をめざす。
今期の最終黒字転換は、円高是正で約100億円の増益効果を見込むほか、13年3月期に実施した半導体事業などのリストラが奏功するとみる。会見で山本正已社長は「今後も構造改革の手を緩めない」と強調した。
この日、自動車などに使う半導体のマイコン事業を米半導体メーカーのスパンション・グループに売却することも正式に発表した。売却額は計173億円。半導体事業の採算が改善されるなどで今期の営業利益は前期比46.9%増の1400億円へと大幅な増益を予想する。
パソコンや携帯電話の販売が減少する一方、国内のIT(情報技術)サービスなどが堅調で、売上高は3.8%増の4兆5500億円の見込み。