富士山【拡大】
富士山(山梨県、静岡県)が世界文化遺産に登録されることがほぼ確実になったことを受け、国内の関連業界では歓迎の声が上がった。
今年過去最高の1000万人の訪日外国人を目標とする観光庁は「登録が1000万人超えの弾みになれば」(国際交流推進課)と期待をかける。
訪日外国人がよく訪ねるのが、東京から富士山に立ち寄り、京都や大阪へ向かう「ゴールデンルート」と呼ばれるコース。登録で「好影響が期待できる」(JTB)との声は多い。
はとバスは「地方から上京した後、富士山まで足を伸ばす需要が生まれれば」と期待を寄せる。プリンスホテルは富士山に近い箱根で運営するホテル「ザ・プリンス箱根」で宿泊代を「223(ふじさん)」にかけた2万2300円とし、うち223円を世界遺産登録の推進団体に寄付する企画を提供してきた。担当者は「協力が実った」とうれしそうに話す。
一方、1日の東京株式市場では世界遺産効果で“富士山銘柄”が急上昇。富士山の麓、山梨県富士吉田市に本社を置き、鉄道とともに遊園地「富士急ハイランド」を運営する富士急行は、前日比150円高の1065円とストップ高で取引を終えた。同社の株価が1000円を超えたのは1991年6月以来、22年ぶりという。