トヨタ自動車の生産現場。速度をゆっくりにした生産ラインも新設し、ベテランに対応する【拡大】
トヨタ自動車が60歳定年以降の再雇用を視野に、ベテラン社員専用の生産ラインを設けたことが3日、分かった。ラインを通常よりもゆっくりと流し、車種も1種類に限定するなどし、体力が落ちた高齢社員が働きやすい環境を整えた。希望者を65歳まで雇用することを義務付ける「改正高年齢者雇用安定法」が4月に施行されたことに対応し、雇用の受け皿を広げる。ベテラン専用の生産ラインは珍しく、他のメーカーにも影響しそうだ。
ハッチバック車「オーリス」などを生産する高岡工場(愛知県豊田市)に新設した「高技能者向けライン」では現在、50代後半の社員が中心となって働いている。年齢による体力や視力の衰えを踏まえ、通常より作業スピードを落としたほか、生産車種も小型車「iQ」に特化した。