鹿島は16日、企業などが保有する倉庫向けの新しい制震手法「ADS」を開発したと発表した。一昨年の東日本大震災以降、企業などから需要が増える災害時の事業継続計画(BCP)の課題解決に一役買う狙い。すでに医薬品メーカーから受注があり、今秋から実用化する見通しだ。
新手法「ADS」は、天井に近い屋根裏空間などのすき間を利用し、荷物が置かれた棚の上部にダンパーや取付フレームを設置する仕組みだ。震度6級の大地震の揺れを50%~66%低減でき、ダンパーなどが地震の力を吸収し、設備の損傷を防ぐ。
今回の新手法は、新築倉庫への設置提案だけでなく、既存の倉庫にも増設で対応できる。同社の試算では、対象となる倉庫は国内に1万件以上あるといい、需要があると判断した。
設置コストも、棚1つ当たりで4万~8万円程度の改修費用で「従来の制震手法に比べ安い」(緑川浩史生産・研究施設第2グループ担当部長)という。