旭化成は27日、2011年度から取り組んでいる5カ年の中期経営計画について、最終年度となる15年度の営業利益が1600億円にとどまり、目標の2000億円を下回る見通しを明らかにした。
超円高や欧州危機などを背景としたケミカル、エレクトロニクス両部門の苦戦が要因。藤原健嗣社長は同日、都内で開いた会見で「事業目標を変える気はないが、それに向けて行動を加速しなければならない。投資体力は十分あるので投資戦略を完成させキャッチアップしていきたい」と述べた。
中計では、15年度に売上高を2兆円、営業利益を2000億円に引き上げる目標を掲げていた。
また、15年度までの5年間に見込む1兆円規模の投資のうち、5500億円を既存事業に、4500億円をM&A(企業の合併・買収)などに振り分ける方針で、これまでに米医療機器大手ゾール・メディカルの買収や、キュプラ繊維「ベンベルグ」の生産設備増強などに投じた。