クラゲが襲来した関西電力姫路第1発電所(兵庫県)の取水口=昨年7月ごろ【拡大】
火力発電所の運転を脅かすクラゲの襲来に備え、関西電力は今夏、新たに4億円を投じて対策を強化する。
昨夏の大量発生では大型原発1基分に相当する120万キロワットの出力抑制を引き起こしており、まさに天敵だ。原発の再稼働が進まず電力不足が懸念される状況が続くだけに“リターンマッチ”に備えて緊張感が高まっている。
発電所はタービンを回す蒸気を冷やすため海水を循環させている。取水口にはゴミを取り除く防止網を張り、すり抜けた異物も集塵(しゅうじん)機で回収している。ただミズクラゲなどが大量に押し寄せると防止網を破って取水口を詰まらせるなどの問題が起き、発電所の出力を下げざるを得なくなる。
関電は6月末までに、大阪市の南港発電所などクラゲ襲来の可能性が高い7カ所の火力発電所で、防止網を目が細かく強度も高いものに交換したり、支えのコンクリートブロックを重くしたりする対策を実施。1時間で24トンのクラゲを吸い取れる可搬式ポンプも4台導入する。